よくある質問

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イスラームについて

  • イスラームって何ですか?
  • イスラームは、7世紀のアラビア半島で始まった世界宗教で、現在は信徒数が世界人口のなんと4分の1に達しています。世界を創造した唯一神と預言者ムハンマドを信じ、神がムハンマドに下した啓示である聖典『クルアーン』の教えに従っています。

    観光地などでは、スカーフを顔の周りに巻いた女性を見かけたり、触れる機会も増えていますね。イスラーム圏でも日本観光はブームとなっています。
  • イスラームとイスラムは違いますか?
  • 同じです。どちらがベターかと言えば、「イスラーム」です。

    もともとのアラビア語では、「イスラーム」と伸ばして発音します。東南アジアのマレー語などでは長母音をほとんど使いませんので、「イスラム」と発音します。

    日本では、高校の教科書では「イスラーム」となっています。新聞・テレビでは「イスラム」が使われています。
  • 日本のイスラーム教徒の人口はどのくらいいますか?
  • 日本での人口は正確な統計はありません。

    10万人くらいと推定されています。その9割は、イスラーム圏から日本に来た人です。最近は、留学生、ビジネスマンなどで、日本にしばらく滞在する人も増えています。
  • なぜスカーフを被るのですか?
  • イスラームでは、品のある身だしなみを推奨しています。女性も男性も、あまり肌を出しません。特に女性は、身体の美しい部分をやたらに他人に見せない方がいいとされ、髪もそれに含まれているので、スカーフを被っています。
  • 礼拝って何をするのですか?
  • 唯一神アッラーへの帰依を表現して、次のような動作をします――立礼(立って、聖典を朗誦する)、屈折礼(頭をさげて神を称える)、平伏礼(額を床につけ、絶対帰依の気持ちで神を称える)、座礼(神と預言者ムハンマドを認める信仰告白を唱える)。

    日の出、日の入りなど季節によって変わる時間に合わせて、日に5回礼拝をします。
    日本でいうところのお経をあげることなどにイメージが近いかもしれません。

    聖典の内容を朗踊しながら、日々の感謝や困りごとの解決などを願います。
    動作は唯一神アッラーへの帰依を表現して、次のようなことをします――立礼(立って、聖典を朗誦する)、屈折礼(頭をさげて神を称える)、平伏礼(額を床につけ、絶対帰依の気持ちで神を称える)、座礼(神と預言者ムハンマドを認める信仰告白を唱える)。
  • 礼拝時間は必ず守る必要がありますか?
  • 守るのが原則ですが、礼拝の時間帯には、かなり幅があります。
    1度の礼拝にかかる時間は10分程度です。
    日の出前の礼拝は1時間20分ほどの間で10分程度します。日没後も同じくらいの長さです。正午過ぎと午後の礼拝は、それぞれ3時間程度の幅があります。夜の礼拝は、明け方までにすればよいので、時間帯が長くなっています。礼拝はその時間帯に間にするのが基本です。時間帯が過ぎてしまった場合は、あとでやります。
  • 日本にいるムスリム(イスラーム教徒)とは、どうやって接すればいいですか?
  • 観光客・訪日客の皆さまは、日本にとても興味を持って来ているので、親日家になるよう、もてなしてあげたいものです。ただ、豚・豚由来品は一切食べませんし、アルコール(お酒)が含有されている食品もNGですので、その点は気をつけたほうがいいと思います。お肉についても、イスラーム式にと畜されたお肉しか食べない人もいます。

    留学やビジネスで近所に住んでいる人がいれば、是非、文化交流してください。食事については観光客と同じです。ペットについては、犬が苦手な人が多いです。
  • ムスリムは受けられる医療が制限されると聞いたことがありますが?
  • ほとんどそういうことはありません。ただ、女性は家族以外の男性に肌を見せないというルールがありますので、女性の患者さんは女性のお医者さんを求めます。日本でも、女性のお医者さんを好む女性はたくさんいますね。

イスラームに関係のある用語をいくつか教えてください

  • ムスリム
  • イスラーム教徒を指します。「帰依する人」「帰依者」という意味です。イスラーム教徒を指します。イスラームはもともと「帰依」の意味ですので、「イスラームする人」とも言えます。「帰依」とは、教えに従うことです。
  • ラマダーン
  • イスラーム暦の9月で、断食の月です。ムスリム(イスラーム教徒)は、1年に1か月間、全世界で日中に断食をします。イスラーム圏では一大イベントで、終了後は街にお祭りのようなムードが漂います。
    イスラーム暦は純粋な太陰暦なので、月の運行に従って、1ヶ月は29日または30日です。断食では、その間毎日、日の出前から日中を通して日没まで、飲食を断ちます。日没後は、飲食自由ですので、家族・友人と食事やお茶を楽しみます。
    なお、太陰暦は1年が太陽暦よりも11日短く、ラマダーン月も移動します。2018年は、5月17日~6月15日がラマダーンにあたる予想です(実際の新月をみて、決定されます)。
  • マスジド(モスクともいいます)
  • 礼拝堂、礼拝所。実は、「大地はすべてマスジド」とされていますので、礼拝はどこでおこなうこともできます。ただし、礼拝堂がある方が便利で、ムスリムは一般的に人と集まって礼拝やそれ以外のこと(食事や交流など)をすることを好みますので、あちこちにマスジド(モスク)が建てられます。金曜日の集合礼拝は、そこに集まっておこないます。
    なお、「モスク」は西欧語で訛って使われる語なので、今は正しく「マスジド」と呼ぼうという声が高まっています。
  • クルアーン
  • イスラームの聖典を指します。「誦まれるもの」という意味です。字に書いて本の形にしたものもありますが、信徒にとっては、暗記して、朗誦するのが大事なことです。ムハンマドに下された啓示はアラビア語でしたので、クルアーンは必ずアラビア語で朗誦します。
  • 預言者
  • 神の言葉を預かる人。つまり、啓示を受けて、それを人びとに伝える人を指します。人類の歴史にはたくさんの預言者がいました。ムハンマドはその最後を飾る預言者です。イスラームは、ムハンマドの後には、一切の預言者を認めていません。

ハラールについて

  • 「ハラル」と「ハラール」の違いはなんですか?
  • 同じです。アラビア語では「ハラール」と伸ばしますが、マレー語などでは「ハラル」と短く発音します。イスラームの教えで「許されている」「合法」「適法」などを意味し、ムスリムがやっていいこと、食べていいものなどを指します。
    英語では「HALAL」と表記し、発音も「ハラール」とアラビア語のものを採用しています。私ども、京都ハラール評議会は、ワールドスタンダードにのっとって「ハラール」を採用しています。
    イスラームの教えに照らして問題がない食べ物を「ハラール食」「ハラール食品」と言います。
  • 京都市内のハラール認証店舗はどのくらいありますか?
  • 20店舗弱です。レストランは、出される食事がすべてハラールの店舗と、ムスリム客専用のハラール・メニューを提供しているところがあります。
    私どもにも、旅行会社様や観光で日本に来ているイスラーム圏の方から「ハラールレストランはないか?」と問い合わせがありますが、数が少ないため観光ルート上に店がなかったりと案内できなことがあることを残念に思っています。
    日本での観光の高まりや東京オリンピックに向けて、イスラーム圏からも訪日客が急増しています。ハラール認証店舗は、まだまだ不足しています。是非、もっと増えてもらいたいものです。
    京都のハラールレストランはこちらからお調べいただけます
  • ハラールでないものを提供してもいいですか?
  • ハラールのものを提供するのが、原則です。
    ただし、認証されていなくてもハラールのものは、たくさんあります。それがOKかどうかは、お客様ご本人の判断によります。提供する相手に尋ねて、本人が大丈夫と言えば、提供してかまいません。
    本人がいいと言っている時は、日本側があまり心配する必要はありません。
    私どもでは、ムスリムの新入社員を受け入れる際の企業研修や、留学生対応をする大学職員のための研修も行っております。
  • 断食期間(ラマダーン中)に食事を提供してもいいですか?
  • はい。旅行中や病気の人は断食しなくてもよいので、食べる方には提供してください。
    ただし、旅行中でも断食する人もいますので、断食しているかどうかは、本人に確かめてください。
    また、断食している人の前で食事を取るのは、日本人の気分として、なんとなく気が引けますが、遠慮は無用です。あちらの方は、そういうことは、気にしません。旅行中で、断食する人としない人に分かれても、どちらも戒律上OKなので、互いに気にすることもありません。
  • 京都以外でも京都ハラール評議会の認証が取れますか?
  • はい。日本全国、どこでも出張して認証をしています。
    京都を中心とし、現在は福島、神奈川や岐阜、東京、また南は沖縄や福岡などの認証やお問い合わせをいただいております。
  • 認証が取れたらどんなメリットがありますか?
  • イスラーム圏からのお客様に安心して来ていただく、買っていただく、食べていただく、と言うのが一番のメリットです。
    ハラールマークはどの国の人が見てもわかる、共通の「安心」マークです。
  • なぜたくさんの認証団体があるのですか?
  • ハラールは、本来、宗教の事項ですので、信教の自由と政教分離が原則の日本では、行政が統制することができません。そのため、訪日客や在日ムスリムの便宜を図ろうとする宗教法人や民間のNPOなどが、これまで認証の業務に携わってきました。
    京都ハラール評議会では、宗教法人が基礎となる認証団体である日本ムスリム協会(東京)、イスラーム文化センター(大塚マスジド)(東京)を信頼し提携しております。輸出商品に関しては日本ムスリム協会をお勧めし、国内消費に関しては大塚マスジドと京都ハラール評議会で認証の輪が広がるように努めています。
  • 認証団体はどのように選べばいいですか?
  • 私どもでは、宗教法人が運営する認証団体をお勧めしています。
    イスラーム宗教法人の場合は、モスクの運営などでイスラーム的に信徒に信頼されているという点が保証の基本です。ハラール関連の業務のための民間団体の場合は、それぞれの団体での考え方や方針もありますので、事業者様もご自分の方針と合致するところを探していただきたいと思います。

    また、認証機関によって基準が違う場合があります。一般的には、それはイスラーム法の学派の違いによるものが多いです(日本でも、法律が同じでも裁判で判決が異なるのと同じです)。ただし、その違いが、その団体の信頼性に関わるような気がするのであれば、納得いくまでお調べください。